珠洲だより |
2010年
vol.1 | 「大雪の中から思いをこめて」 | 2010.1.16 | ||||
一晩で白銀の世界になってしまった。 地元の人たちが何十年ぶりにこんなに降ったという。車がすっぽり雪で覆われ、まあるい金木犀の木が雪を重そうに支えている。 冬の間お店を閉めているため、先月から「てん刻教室」を我が家で始めた。 今日が2回目。この雪の中、先生をはじめ仲間たちが雪を払いながら来てくれた。 しんしんと降る雪をひとときの間忘れ、思い思いの印を彫る時間。私は寒中見舞い用の印を彫ることにした。 小舟を1隻と「好夢」という漢詩の組み合わせ。ゆらゆらと舟の中でいい夢をみながら冬眠中なんて思いを込めて。 |
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一週間前に遠見さんから分けてもらった手漉き和紙のはがき。遠見さんのかじかんだ手を思い出すと、一枚の紙がとても大切。 冷たい水をくぐらせて一枚一枚手漉きされた苦労はこの紙を見ただけでは分からないかもしれない。外の寒さを忘れるほどのあたたかい和紙の肌触り。冬仕事の辛さを語らず、いつも穏やかに迎えてくれる遠見さんそのものだ。 かすれないように一枚一枚印を押し、年賀状を頂いた方へ返事を書いています。 |
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遠見和之さんの手漉き和紙 | ||||||
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