珠洲だより

    2010年

 
vol.5. 「ハービー・ヤングさんを訪ねました」    2010.3.9

益子焼のお店が並ぶ辺りから、車で10分程走った所に工房そしてご自宅がありました。
以前は落花生畑で周りに何もなかったそうです。

新聞配達の人が新聞を投げていってくれそうな感じがするのは、やはりハービーさんが
アメリカの方で家のたたずまいやガーデンの広さからでしょうか。
大きな桜の木下にテーブルがあり、天気がよくなるとお友達を呼んだり、オープンハウスで
お客様をお呼びしたりするイベントも毎年されるそうです。

この日も作務衣姿の奥様が、ハービーさんの器を使っておもてなしをしてくださいました。
スチームクッカー(写真下)にはお野菜から自然にでたスープがいっぱい!
下に置いた鍋からの蒸気でこんなにおいしく、演出力満点のお料理が出来上がるなんて!

イベントの際などには、蒸しパン・大きな茶碗蒸し・ぎょうざetc いろんな料理に活用できる蒸し器を奥様が実演をとおしてご紹介しているそうです。新しい調理器具として我が家にも欲しくなりました。
前菜          スチームクッカー   自家製クリームチーズケーキ
ガス窯

美味しいお料理と素敵な器を前にするとお話も弾みます!

でも、ちゃんと工房も拝見させてもらいました。

働きもののガス窯(写真左)。
窯の位置で当然温度が違います。釉薬物を焼く場合、同じように作っていても同じようになるとは限りません。一窯分のほとんどが駄目ということもあったとか。

窯のとなりは実験室(?!)のような部屋があり、そこを通り抜けてろくろ場へ。
ハービーさんは一つの釉薬をつくるのにいくつもの鉱物を調合してつくられます。
その釉薬の色を決定するまでに、テストピースをいくつも焼き、データをとり作り上げていきます。透明カップに入った色のピラミッドがとてもきれいでした。(写真下)

ろくろ場は道具もきちんと整列して、とてもきれいに整頓されていました。
棚板を置く棒が竹でつくられており、ハービーさんの感性が光ります。

このT字の道具に感動!!

釉薬のサンプル 
テストピース


白くて薄手の陶磁器やセンスのよい軽い器をを作るつくり手が少し前から増えたように感じています。
「なんとなくほっこりあったかい」思わず両手で抱えたくなるような器を使いたくなり探していました。
そんな時にハービーさんのとても持ちやすく安心感とたっぷり感があるカップに出会いました。

かつての民藝運動の志を持ちあわせた器。安心感があり日常の暮らしの中で使う「用の美」を気づかせてくれる器であると思います。

ハービーさんのサインマークは亀が押されています。
「遅くても必ず着く 〜ネバーギブアップ〜」の意味だそうです。

ハービーさん同様ゆっくりでも使い手の方々に、使い続けていきたくなる器をお渡ししていきたいです。
若かりし頃(?!)の
ハービーさん
カップ

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