珠洲だより

                            2011年

 
vol.2  「郡司康久・慶子さんを訪ねて」     2011.1.24

   


慶子さんの仕事エリア
  昨年、益子で衝撃的な出会いをしました。
蓋物や帯留めになるようなブローチなどたまらなく欲しいものばかり。久しぶりの興奮で、思わず「好きです。」と中学生の告白のように初対面の郡司さんにあいさつしたほど。

  アトリエ&ご自宅にお邪魔させていただきました。郡司さんは、ご主人も陶芸家。そして慶子さんの作品は、基本的にご主人が成形して、慶子さんが線彫りや飾り細工といったものを加え加飾している。
  2人のゆるく息の合った空気感がとても居心地がよく、夕飯までしっかりご馳走になり気が付けば電車時間ぎりぎり。

  陶芸をされていた康久さんのお父様が元々使っていた場所を、うまく手を加え、とても素敵なアトリエ&ご自宅になっていました。ご主人のろくろ場の横に慶子さんの仕事エリア、そして仕事場から窓をガラリと開けると(左写真)裏山の見える台所とお部屋が。ドアを開けるとすぐ仕事にかかれる、まさにつくることが生活の一部といった感じ。
  
  慶子さんの仕事エリアはちっちゃなものに囲まれていて、理科室の棚のような中には貝殻が標本のようにきれいに並べられていた。
  きっと好きなものばかりを周りに置き、椅子にちょこんと座って、もくもくと仕事をされているのだろうなぁと想像。
  でも、たまに仕事をしているふりをして、横の薪ストーブの上でおまんじゅうを焼いて、こっそり食べてそうな感じ。棚裏で仕事している康久さんににおいがしてばれちゃって・・・なんて御茶目な一面もありそう。(あくまでも私の想像です。スミマセン)

  慶子さんがつくるものは、カプチーノに絵を描くように、化粧土をスポイド(右下写真)などで模様を描く方法(イッチン)や、色違いの化粧土をすべらすように模様をつくる方法(スリップウエア)などで器などを作っている。(下写真)
  民藝のようでいて今の感覚が光り、英国を思わせるようでいて、やっぱり日本的感覚が香る、ありそうでなかった器です。
  そして、器ものの愛らしさとはまったく違う蓋ものや、ちいさなオブジェのものなどがあり、不思議な魅力のつくり手だと思います。

  秋の企画「正倉院の夢」展で、念願の蓋ものや帯どめをお願いしてきました。今から待ち遠しくてわくわくです。

  春からの常設では器ものが少し揃います。珠洲では初のお目見えです。ぜひぜひたくさんの方にご覧いただきたいです!

3代続けて使っている窯は
今でも健在
箸置き

ご主人・康久さんの仕事エリア

こんなかわいい器ものも常設で並びます

イッチンの道具

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